
■ 担当者別実績
担当者別に売上と粗利益を計算する必要に迫られました。部署とか会社レベルなら信頼性のあるデータや帳票があるのですが、担当者別となると困ったことになります。
もちろん、勤め先のシステムには担当者別の実績を確認する画面(担当者別速報)があります。そこに表示しているのと同じ条件でデータを引っこ抜けば良い訳ですが、問題は抽出したデータが正しいことをどうやって証明すれば良いかです。
売上の発生には必ず担当者が必要というシステムなので、売上については集計結果と各種帳票(販売実績表など)の数値が一致します。しかし、粗利益となると担当者に振り分けられないものがあるので、その分を確認するのが困難です。
さて、どうしようか?
■ 工事利益
まず、簡単そうな工事利益から調べてみました。
工事の利益は、完成工事高 - 完成工事原価。完成工事高や完成工事原価については、担当者別にしっかりと集計できていたので工事帳票や販売実績表の工事分の売上や利益と一致。
・・・と思ったら、なぜか合わない。
よくよく調べると、特定の現場に触れないような工事原価を部署共通の経費として計上していた(完成工事原価の扱い)ので、その分が担当者別実績から漏れていました。
まず、ここまでは良しとします。
■ 一般利益
悩んだのは一般利益の確認方法です。得意先別の順位表といった表があって、そこに売上と粗利益が表示されているのでそれで良いかと思ったのですが、諸般の都合から会計に繋がっている数字とあっていることを証明したいのです。そうなると販売実績表の売上総利益のあたりが目標値なのですが、これが全く一致しません。
私が抽出集計したデータは「売上 - (売上に付随する)原価 = 粗利益」でして、この原価って部分には純粋な仕入分が入っていないし、棚卸しなどで在庫を弄った金額も入っていません。検収差額を潰すための仕入訂正や仕入消費税調整、在庫の倉入れ、割戻し(リベート)、うーん、こりゃ合わせられないかな?
と思っていたのですが、そうでもなさそうです。
販売実績表の利益はこうやって計算しています。
売上 - (期首在庫 + 仕入 - 期末在庫) + (仕入割戻し金額 - 売上割戻し金額) = 利益
まず、仕入消費税調整については考える必要もありませんでした。「仕入だけの発生」ってことで出したのですが、冷静に考えると消費税金額をいくら弄っても売上総利益に影響しないので無視して良いでしょう。
在庫の倉入れについては、確かに原価に絡まない仕入高は増えますが、同時に期末在庫も膨らんで相殺されるので考えなくてOK。
ふむ、そうすると差異の原因になるのは仕入訂正、在庫調整、割戻し。この数字を探し出して販売実績表の利益から引いてやれば、目標とする数字が作れるってことですかね。
■ 結果
在庫の調整金額は棚卸実績表から拾えるのでOK、割戻しは販売実績表に項目があるので拾えます。仕入訂正は明細データから探し出すしかなかったのですが、そもそも仕入訂正ってほとんど使っていないので考慮対象外。別に完璧に一致させる必要はないので、数百円〜数万円程度の誤差は目をつぶります。
これらを加味した結果、ほぼ合いました(実際には内部取引だの利益調整だのと色々と考えることがあって多少苦戦した)。
■ 後書き
上の話ですが、データを抽出したり、実際に計算したりしたのは私なのですが、数値検証の方法は上司の指導によるものです。私は最初、売上原価に在庫絡みの金額を足し引きすることで一般仕入高を作れないかと思っていたのですが、その方法は無理がありました。
ところで粗利益って何て読みますか?私は「あらりえき」と読んでいたのですが、時々「そりえき」っていう人がいるので、どっちが正しいのか迷っていたのですが、どうやら「あらりえき」で正しいそうです。
どこから「そりえき」って読み方が広がったのか、興味深いです。
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