
■ LTO
私が社会人になった十数前といえば、バックアップメディアはDAT一択でした。Windowsサーバの話で、ホストコンピュータは別の話ですが。
DATを一言で表現すると、手乗りサイズに縮小したビデオテープ。DATはかなり長い間現役だった(今でも、システムバックアップでは使っている)のですが、世の中のコンピューターが急速に進化した結果、データ容量もそれに比例して増加。旧来のDATでは容量不足や書き込み速度の問題でバックアップの役割が果たせなくなってきました。
そんな事情があって、高速に読み書きできて、容量も大きいメディアとしてLTOなるものが登場しました。
さらに、LTOに読み書きする装置として、LTOライブラリ装置というのがあって、こいつは複数のLTOを格納して、ソフトウェア制御だけで使用するLTOの入れ替えができるというものです。
DATを使っていた時は、バックアップを世代管理しようとしたら手動で入れ替えるしかなかったのですが、随分と便利になったものです。
■ 便利・・・?
というのが前提のお話で、私が知っている時代の流れです。
現実問題として、サーバなどのシステム機器をデータセンターに設置するためには、手動でメディアを入れ替えるなんて出来ない(データセンターのサービスとして存在するらしいが、費用がかかる)ので、人力を介さずに使用するメディアを入れ替えることができる機械は必要なわけです。
ところが、このLTOライブラリ装置というのが曲者で、非常に故障率が高いのです。
サーバ、ルータ、ファイアーウォール、ハブ、ストレージ・・・色々な装置が存在するわけですが、このLTOライブラリ装置ほど故障(またはトラブル)が発生するものはありませんでした。
特定のメーカーの問題かとも思ったのですが、複数社の製品で同じように障害が発生するところからして、今ひとつ信頼性が低い商品のようです。
■ 本題
無駄に長くなりましたが、ここからが本題です。
先日、データセンターに設置していたLTOライブラリ装置が故障したので、保守業者さんに交換を依頼したのですが、故障した機器の中にあるLTOがどうやっても取り出せなかったらしく、持ち帰って取り出すことになりました。
戻ってきた結果がこれです。

中でテープがグチャグチャになっていたそうで、ご覧の有様です。
それにしても、LTOの中身ってこうなっていたんですね。まぁ、仕組みからして想像はできていたのですが、こうして実際に見てみると感慨深いものがあります。
■ 後書き
ちなみに、最近はバックアップにLTOを使わないことが多くなってきました。速度や容量を重視するなら、RAID構成のハードディスクや専用ストレージを用意する方法がありますし、BCP対策なら高性能ネットワークを使って遠隔地にデータを逃す手もあります。
昔に比べて、ハードディスクやネットワークの信頼性が向上したからできる方法ですね。まぁ、LTOを使おうとすると保守が面倒だし、ぶっちゃけ高いって問題もあるんですが・・・
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