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(元)社内SEの徒然なる日記

オープンレガシーとか言う間抜け極まるお話について思う

■ 雑談

今回は、レガシーシステムってモノに対してちょっとつらつらと書く事にしました。

なお、特に意味はないです。


■ メインフレームの問題

私が社会人になった当時、私の勤め先でもメインフレームを運用していて、自社で構築した基幹システムが動いていました。当時のシステム構成は、本社に設置したメインフレームを親として、各拠点ごとにメインフレームを設置した分散システムです。

なお、それぞれのメインフレームは自動的に同期する訳も無く、一日に一回、拠点からデータを吸い上げ、逆に本社からデータを配信するという処理を行っていました。リアルタイムでの同期が当たり前になった昨今から考えると隔世の感がありますね。

その当時、メインフレームに対する様々な問題が提起されていました。

①運用(保守)コストの増大
②リアルタイムな情報取得が出来ない
③内部統制や情報セキュリティなどに対応出来ない
④新機能の追加などに時間がかかる、又は対応出来ない。
⑤運用をしていく技術者の不足
⑥ブラウザを使用するのでクライアントの設定が不要

代表的なのはこんな所でしょうか?言い始めればキリがないくらい、当時は色々と言われたものです。んで、それを解決する手段としてオープンシステムが台頭してきていたのです。

とは言え、当時の所属部署(情報システム部)は牧歌的な雰囲気があり、私自身も若かった事もあって遠い世界の話のように感じていました。

■ 新システムの誕生

だったのですが、勤め先の役員に某ベンダーが営業攻勢を掛けていたらしく、新システムをフルスクラッチで作成するという話が持ち上がりました。・・・迷惑な話です。

色々とごにょごにょとあったのですが、結局は数年を掛けて新システムが稼働する事になりました。分散型から集約型への変更、言語はjava、データベースはOracleって感じで、当時としては一般的な構成です。

思う所はあったのですが、先の無いだろうメインフレームに関わるよりも、世の中に広く出回っている技術や製品に関われるのは正直嬉しかったです。なので必死に勉強しました。当時は随分と苦しんだものですが、今にして思うと楽しい時間でした。

■ 開幕レガシー化

ってことで稼働した新システムだったのですが、開発に関わっていた技術者たちも日本各地に散らばったため、運用開始から2年も経過した頃には誰もシステムの中身が分からない状態になっていました。フルスクラッチということが仇になった感じです。

新機能を追加しようにも、各機能が複雑に絡み合っているため迂闊に修正も出来ない。同じ理由で、問題(障害)があっても対応出来ない。自社で積み上げて来た技術や知識(COBOL、メインフレームの運用)は役に立たなくなり、残されたのは未熟な技術者(私です)だけ。

なので、オープンシステムに移行して解決する筈だった③④⑤が解決したとは言えない状態です。

■ 功罪

問題もあったのですが、②については随分と改善しました。新システムの導入に合わせて業務プロセス全体の見直しをした結果、現場の人間は随分と楽になったようです。これは良かった点ですね。

また、上では③の対応が出来ないと書きましたが、アクセスコントロールを意識して作成したシステムなので、ある程度は対応出来ています。

①のコストは、正直どうなんでしょうね?私が今も昔も予算に関わる立場じゃないのでメインフレーム時代のコストって分からないのですが、実は安くはなっていないのではないかと思います。年間保守料とかは削減できたのかも知れませんが、4〜5年の単位で移行作業(ベンダーが保守出来ないと脅してくる)が必要になったので、長い目で見るとコストって下がっていないような・・・

⑥のブラウザにしても、IE6でしか動作しないとか、設定を弄らないとダメとかで、結局はパソコン1台ずつ設定する必要があって何も解決しない。むしろ迂闊にブラウザのバージョンアップも出来なくなって維持管理が大変。

メインフレームからの脱却には良い点もあったのですが、その良い点ってのは別にオープンシステムだから出来たって訳じゃない気がします。

■ そして現在

それから10年程経過したのですが、ここ数年、オープンレガシーという言葉を聞くようになりました。オープンレガシーってどういう事って言うと、まぁ、人によって言い方は違うようですが上で書いた①〜⑥の内容と殆ど変わらない!

ちょっと調べると、オープンレガシーの解決策とか書いている書籍やWEBサイトが散見されますが、全く現実が見えていません。なんというか、学者先生が理論だけを振りかざしているような内容ばかりに思えます。理屈は分かるけど、それが出来るような力がある組織なら最初からレガシー化なんてしないと思うんですよね。

勤め先にしても、今は私がシステムの全体像を把握したので何とかなっていますが、後継者がいないので私に何かあると維持管理の面でちょっと困るはずです(まぁ、そうなったらなったで何とかするでしょうけどね)。

■ 後書き

少し前に、eValueNSっていう大塚商会のグループウェアを導入しました。カスタマイズも可能だったのですが、今後のバージョンアップなどが大変になるのでノーカスタマイズで導入したのですが、運用管理がとっても楽です。

サポート契約を結んでいるので分からない事は聞けるし、妙なシステム障害も発生しない(製品自体のバグはあるけど、自社で原因調査とかの対応はしなくていい)。そのため、社内SEとして最も重要なユーザーサポートに専念する事が出来ています。

まぁ、導入前のグループウェアはメールと掲示板しか使っていなかったのでノーカスタマイズでの導入が可能だった訳ですが、私たち社内SEが望むシステムってこういうものですよね。同じ事が基幹システムに対してもできれば良いんですけどね。

・・・ん?ERPパッケージがある?

悪いとは言わないですが、あれは業務をパッケージに合わせる覚悟が無いと難しいかなぁ。膨大なカスタマイズをしたERPパッケージを使うのなら、フルスクラッチでも良い気がするしね。


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