
2014年4月1日から消費税率が変更になる訳ですが、それに伴ってシステムの修正が入るんだろうなーって思っていたのですが、終わってみると想像よりもずっと少ない対応で済みました。
まぁ、今のシステムが消費税が変更される事を考慮して開発されたものなので、当たり前何ですけどね。
システムが消費税率変更に対応していると言っても、実際に変更されるのは初めての事なのでどうすれば良いか迷っちゃいます。
という事で、消費税率の変更がシステムにどう影響するかを調べてみました。
卸売業なので、仕入先から仕入れて、得意先に売っている訳です。んで、この時の消費税の決定は入荷日と出荷日で判断していました。
入荷日、出荷日が2013年3月31日より過去であれば5%、未来であれば8%ですね。
ちなみに、判断の基準は消費税マスタってのがあって、この日付の範囲は**%って設定が出来るようになっています。
基本的には問題ないようですが、当社の入荷日、出荷日での判定なので、取引先と基準が違えば差異が出る事はありそうですね。まぁ、その辺りは訂正伝票でどうとでもなりそうです。
工事もやっているので、そちらも調査しました。
経過措置とか言うのがあって、2013年9月までに契約されていた場合は、2014年4月移行も消費税率は5%になるそうです。
システムでは、最初に契約を作って、それに原価を入力する仕組み。んで、出来高や完工高は契約に指定した消費税率をで計算されます。当然、消費税率は自由に設定出来ます。これも特に対応不要ですね。まぁ、運用面では間違えないように注意が必要ですけど。
材料費については、一般仕入れと同じ考え方。外注費と経費は、税率が自由に設定出来るようになっていたので、これも問題無し。
2013年3月31日までに入荷、出荷された商品が返品された場合、消費税率は5%になるそうです。なのですが、これはシステム側では対応しない事にしました。
返品処理は元伝票を呼出して入力する方式なので、元伝票の入荷日、出荷日から消費税率を自動判断させる事は可能だったのですが、却って判りにくくなる気がしたんですよ。
返品伝票には税率の表示は無いし、元伝票の日付も表示していない。表から見えるのは返品日だけ。この状態で税率がコロコロ変わっては利用者が混乱するかなと。
どうせ税率変更後の少しの間のことだし、消費税の差額は訂正伝票を入れる事にしました。
・・・ん?画面を修正すれば良い?
その通りなのですが、他にもやる事が山積みなので、効果の薄い事に割く時間が取れなかったんですよ。コストに見合わないんですよね。
納品書と請求書には、ちょっと修正を行いました。
これまでは消費税額の表示のみで消費税率までは表示していなかったのですが、2014年4月以降は常に消費税率を表示するように修正しました。
常に表示されてウザくなるかと思ったのですが、表示位置やフォントサイズを工夫した所、悪く無い感じになったので、コレで良いかなと。
ちなみに、請求書の発行日は特に弄らない事にしました。最初は3月31日で請求書を発行しようかって話もあったのですが、希望する得意先にのみ対応しようって話で落ち着きました(案内文書は出しました)。
検収と支払については、ちょっとだけ修正しました。
色々と話は出たのですが、実際に検収業務をやっている人に聞いても「消費税額まで見てない」って返事が多かったんですよ。
当社のシステムは、明細単位で消費税を計算する仕組みなのですが、仕入先が合計金額から消費税額を計算していた場合、今でも明細単位では合わせようが無い訳ですしね。
って事で、仕入先からの請求とこちらの仕入れが大きくずれた時に調査が出来るように、データ出力機能(検収の明細をCSV出力出来る)を修正して、消費税率も吐くようにしました。
基幹システムはスクラッチ開発なのですが、会計システムはパッケージを使用しています。これは、会計システムを自社開発して維持管理するってのは中々難しいって判断ですね。
んで、会計システムには仕訳データを取り込む機能が存在するので、基幹システムから会計システムで取り込める仕訳データを作っています。
これも特に問題無し。仕訳データのレイアウト上に消費税率を指定する区分があるので、そこに設定すればOK。仕訳データの作成プログラムが、消費税率が変更される事を考えて作られていた(税率ごとに集計してデータ出力する仕様)ので楽チンでした。
大きな所はこんな所でしょうか?プログラムは殆ど修正せずに済みました(細かい所では色々とありましたが)。
実際の所、影響範囲の調査の方が大変でした。問い合わせが来るのは判っていた事なので、事前にシステム全体の影響調査は行って、調査報告書まで作成していたのですが、上司や関連部署(の長)、色々と考えるタイプの人などから、この時はどうなる?こうなった時はどうすれば良い?って話がポロポロと出てきて、調べるのに結構な工数が必要でした。
・・・いや、最初の時点での調査に漏れがあったって事でもあるんですけどね。
しかし、今回の税率変更で今まで見えていなかった部分が見えるようになったので、個人的にはコレが一番の成果でした。
3月に入った辺りから、取引先から消費税率変更に伴う案内ってのが来るようになりました。各社で対応方法はバラバラなのですが、やはり「当社のシステム上の都合で・・・」ってのが多いですね。
「4月以降は8%で払うが、5%分については後で差額を払う」とか、そんな感じで何とか運用で逃げようとしているのが多い印象です。
まぁ、中には「4月以降で5%になる場合には書類を書け」みたいな事を言ってくる取引先もあったりしますけどね。流石は大企業様ですねぇ。
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