（元）社内SEの徒然なる日記 powerShellでエラーを処理をしてみた２（try、catch、finally）

powerShellでエラーを処理をしてみた２（try、catch、finally）

2012-12-11（Tue）

■　try ～ catch ～ finally

powerShellのVer.2以降では、try ～ catch ～ finallyのエラートラップが使用できるようになったというので、試して見ました。

基本構文はこんな感じですかね。

try {
    # 処理です。
} catch [例外] {
    # エラートラップです。
} finally {
    # 正常、異常に関わらずに、最後に必ず行う処理です。
}

ぶっちゃけると、javaとかと同じですね。catch の指定は複数選択や、多段構造も可能です。

# 複数指定はカンマで区切る
} catch [例外1], [例外2] {

# 多段指定は、catchを複数作る
} catch [例外1] {
} catch [例外2] {

finally は要らないなら書かなくてもＯＫです。

■　実験１（正常パターン）

まず、エラーが発生しないようにソースを書いて動かして見ます。
キャッチするエラーは、Exceptionにします（実質的には全てのエラーを拾う）。

Write-Host "処理開始"
try {
    # 処理です。
    Write-Host "処理を実行します。"
} catch [Exception] {
    # エラートラップです。
    Write-Host "catchされました。"
} finally {
    # 最後に必ず行う処理です。
    Write-Host "finallyの処理です。"
}
Write-Host "処理終了"

実行結果は、以下の通りです。

処理開始
処理を実行します。
finallyの処理です。
処理終了

コンソールへの出力内容から、エラートラップされずに動作したようです。
ここまでは、想定内です。

■　実験２（異常パターン）

throwを使用して、強制的に処理を異常終了させてみます。

Write-Host "処理開始"
try {
    # 処理です。
    throw 'tryの中でエラーを発生させます。'
} catch [Exception] {
    # エラートラップです。
    Write-Host "catchされました。"
} finally {
    # 最後に必ず行う処理です。
    Write-Host "finallyの処理です。"
}
Write-Host "処理終了"

実行結果です。

処理開始
catchされました。
finallyの処理です。
処理終了

きちんとエラートラップが動作したようです。
さらに、異常発生時にもfinallyが動作することを確認しました。

■　実験３（tryの外で異常）

今度は、tryブロックの外でエラーを発生させてみます。

Write-Host "処理開始"
try {
    # 処理です。
    Write-Host "処理を実行します。"
} catch [Exception] {
    # エラートラップです。
    Write-Host "catchされました。"
} finally {
    # 最後に必ず行う処理です。
    Write-Host "finallyの処理です。"
}
throw 'tryの外でエラーを発生させます。'
Write-Host "処理終了"

実行結果です。

処理開始
処理を実行します。
finallyの処理です。
tryの外でエラーを発生させます。
発生場所 C:\My Documents\ブログ素材\powerShell\エラー処理\エラー処理.ps1:12 文字:6
+ throw <<<<  'tryの外でエラーを発生させます。'
    + CategoryInfo          : OperationStopped: (tryの外でエラーを発生させます。:String) []、RuntimeException
    + FullyQualifiedErrorId : tryの外でエラーを発生させます。

エラーの発生個所がtryの外なので、エラートラップが動作しません。
まぁ、当然ですね。

■　実験４（trapとの組合せ１）

ここからが本題です。
以前にtrapを使用したエラートラップの方法（powerShellでエラーを処理をしてみた）を紹介しましたが、それをtryと併用した場合の動作を見て見ます。

これまでのソースに、trapに必要な項目を追加します。
まず、tryの中でエラーを発生させてみます。

# エラートラップの設定
$ErrorActionPreference = "Stop"　　　# Stop(停止), Inquire ( 問い合わせ ), Continue ( 続行 )

Write-Host "処理開始"
try {
    throw 'tryの中でエラーを発生させます。'
} catch [Exception] {
    Write-Host "catchされました。"
} finally {
    Write-Host "finallyの処理です。"
}
Write-Host "処理終了"

# エラートラップ
trap { 
    Write-Host "trapでエラー検出。"
}

実行結果です。

処理開始
catchされました。
finallyの処理です。
処理終了

エラーはtryでのみ検出されて、trapではエラーを検出しませんでした。
まぁ、わざわざtryを使うってことは、個別のエラーを検出して何らかの処理をさせることが目的でしょうから、これはこれで正常ですね。

■　実験５（trapとの組合せ２）

今度は、throwをtryブロックの終了後に実行します。

# エラートラップの設定
$ErrorActionPreference = "Stop"　　　# Stop(停止), Inquire ( 問い合わせ ), Continue ( 続行 )

Write-Host "処理開始"
try {
    Write-Host "処理です。"
} catch [Exception] {
    Write-Host "catchされました。"
} finally {
    Write-Host "finallyの処理です。"
}
throw 'tryの外でエラーを発生させます。'
Write-Host "処理終了"

# エラートラップ
trap { 
    Write-Host "trapでエラー検出。"
}

実行結果です。

処理開始
処理です。
finallyの処理です。
trapでエラー検出。
tryの外でエラーを発生させます。
発生場所 C:\My Documents\ブログ素材\powerShell\エラー処理\エラー処理3.ps1:12 文字:6
+ throw <<<<  'tryの外でエラーを発生させます。'
    + CategoryInfo          : OperationStopped: (tryの外でエラーを発生させます。:String) []、RuntimeException
    + FullyQualifiedErrorId : tryの外でエラーを発生させます。

tryの範囲外でエラーが発生した場合は、trapが機能するようです。

■　実験６（trapとの組合せ３）

最後に、catchした処理中にエラーが発生した場合の動作確認です。

# エラートラップの設定
$ErrorActionPreference = "Stop"　　　# Stop(停止), Inquire ( 問い合わせ ), Continue ( 続行 )

Write-Host "処理開始"
try {
    throw 'tryの中でエラーを発生させます。'
} catch [Exception] {
    Write-Host "catchされました。"
    throw 'catchでエラーを発生させます。'
    Write-Host "catch終了です。"
} finally {
    Write-Host "finallyの処理です。"
}
throw 'tryの外でエラーを発生させます。'
Write-Host "処理終了"

# エラートラップ
trap { 
    Write-Host "trapでエラー検出。"
}

実行結果です。

処理開始
catchされました。
finallyの処理です。
trapでエラー検出。
catchでエラーを発生させます。
発生場所 C:\My Documents\ブログ素材\powerShell\エラー処理\エラー処理3.ps1:9 文字:10
+     throw <<<<  'catchでエラーを発生させます。'
    + CategoryInfo          : OperationStopped: (catchでエラーを発生させます。:String) []、RuntimeException
    + FullyQualifiedErrorId : catchでエラーを発生させます。

まず、catchでエラーが拾われます。
catch内部でエラーが発生した場合、即座にfinallyが実行されて、その後で、trapでエラーを拾うようです。

後書き

いろいろと遊んでみましたが、だいたい想定通りの結果になりました。
そもそも、私もjavaでプログラムを組むことがあるので、tryの使い方は迷わないんですよね。

ただ、実装方法については考える必要がありそうですね。
javaの場合、catchする例外の種類をかなり厳密に定義してるんですけど、powerShell（というかスクリプト言語）の場合、エラー発生時は無条件に拾うって方が良いような気も...

まぁ、オブジェクトを操作するような処理を書く場合は、細かいエラートラップを掛けないといけないでしょうけどね。

投稿記事の一覧：http://harikofu.web.fc2.com/

--- blog end ---